腎性貧血 まとめ

【主因】
慢性腎臓病による、内因性エリスロポエチンの産生低下

【治療の基本】
腎臓の負担を減らす:血圧や血糖値の管理、たんぱく質の制限

【治療⓪】
鉄を補充する。

【治療①】
エリスロポエチン製剤による治療(推奨度B) 
治療目標    Hb値11〜13g /dL。 
※Hb>13g /dLを目標値にするとかえって心血管リスクを上げる恐れ(推奨度D)

月1回製剤のエポエチンβぺゴル(ミルセラ®︎)注、週1回製剤のダルベポエチンα(ネスプ®︎)注が主流。
旧来薬としては週3回製剤のエポエチンα(エスポー®︎)、エポエチンβ(エポジン®︎)があります。

【治療②】
HIF-PH阻害薬による治療 
機序:酸素が足りなくなると、赤血球をたくさん作ろうと、エリスロポエチンが産生されます。この役割を果たすのが低酸素誘導因子HIFです。
    酸素が十分にあると分解酵素HIF-PHがHIFを分解してしまいます。
    酸素があってもHIFが分解されないように、HIF-PHの働きを抑えるのがHIF-PH阻害薬です。
(この仕組みを解明した米国の教授たちは2019年ノーベル生理学、医学賞を受賞されました。)

現在承認されたHIF-PH阻害薬は5剤です。
ロキサデュスタット(エベレンゾ®︎)
ダプロデュスタット(ダーブロック®︎)
バダデュスタット(バフセオ®︎)
エナロデュスタット(エナロイ®︎)
モリデュスタット(マスーレッド®︎)。

効果と安全性のバランスで、ダーブロックが最も販売されているようです。

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