抗うつ薬 SNRI編

病気治療シリーズ、うつ病の治療薬をメモします。SNRI(セロトニン-ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)は「だるい、疲れやすい」「やる気が出ない」「集中力が落ちている」を主症状とするうつ病に使用されます。
セロトニンの増加が不安を和らげ、ノルアドレナリンの増加が意欲を高めます。
安全性は高いですが、急に止めると離脱症状が起こるため中止時は少しずつ減らします。飲み初めに見られる眠気や消化器系の副作用は1週間程度で治ります。

ーSNRIー
【デュロキセチン(サインバルタ®︎)】
国内2番目のSNRIです。セロトニンとノルアドレナリンの作用の割合は9:1で、バランスが良いと言われます。
セロトニン刺激で睡眠が浅くなるため普通は朝食後に服用しますが、眠気が気になる場合は夜に使うこともあります。

【ベンラファキシン(イフェクサーSR®︎)】
国内3番目の最新のSNRIですが、海外では1993年から発売されています。
代謝された活性物のセロトニンとノルアドレナリンの作用の割合は14:1で、少量ではセロトニンの緊張を和らげる作用、量を増やすことでノルアドレナリンの意欲を高める作用が出てきます。

【ミルナシプラン(トレドミン®︎)】
国内最初のSNRI。効果がマイルドなため、あまり使われなくなってきています。

<応用編:カリフォルニアロケット療法>
サインバルタやイフェクサーSRとNaSSAは相性が良く、難治性うつ病には併用されます。
難治性のうつでは、モノアミン活動が低下し5-HTやNAが枯渇しているため、再取り込み阻害薬のSNRIやSSRIが効きにくい。そのためモノアミンの放出を促すNaSSAを併用することで効果が期待できます。

ーNaSSAー
【ミルタザピン(リフレックス®︎)】
ヒスタミンH1受容体への親和性が高く、鎮静作用がみられるため就寝前投与が推奨されます。

ーS-RIMー
【ボルチオキセチン(トリンテリックス®︎)】
SSRIの作用を中心に、その他の様々なセロトニン受容体を調整するクスリ。
基本的にはセロトニンの作用を高めるので、不安や落ち込みに効果があります。うつ状態+不安に効果的です。
セロトニン刺激に関する副作用(胃腸症状、睡眠浅くなる、性機能障害)は見られますが、他の抗うつ薬より少ないです。

ーSSRIー
【エスシタロプラム(レクサプロ®︎)】
【セルトラリン(ジェイゾロフト®︎)】
【パロキセチン(パロキセチン®︎)】

<抗うつ薬、効果と忍容性のメタアナリシス>
ー有効性が有意に高い薬ー
アミトリプチリン(トリプタノール®︎)
エスシタロプラム(レクサプロ®︎)
ミルタザピン(リフレックス®︎)
パロキセチン(パキシル®︎)
ベンラファキシン(イフェクサーSR®︎)
ボルチオキセチン(トリンテリックス®︎) 

ー忍容性が有意に高い薬ー
エスシタロプラム(レクサプロ®︎)
セルトラリン(ジェイゾロフト®︎)
ボルチオキセチン(トリンテリックス®︎) 

※トリンテリックスは有効性、忍容性ともに有意に高いが、他剤との比較データ少ない。

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